2009年1月26日月曜日

My favorite

スウェーデンのコンポーザー・ピアニスト、Lars Jansson (ラーシュ・ヤンソン) のピアノを初めて聴いたのは、今から12年前、97年の春のことでした。

アメリカのジャズとは一線を画したヨーロッパのジャズの自由奔放さとパースペクティブは認識していたつもりでしたが、彼の音楽は、それまでとはひとつ次元が上がっているように感じました。

楽曲はもとより、アドリブ・ソロのフレーズの比類無き美しさに胸を打たれ、コピーして弾いてみたくなってピアノに向かってはみたものの、音使いは解明できてもいざ弾いてみると、微妙なタイミングが全く合わずに愕然としたものでした。

融通無碍ともいうべき絶妙なタイム感覚によって統御されたそれぞれの音の連なりは、あたかもゆらいでいるかのようで、そのゆらぎこそが、ただでさえ美しい音使いを、えもいわれぬ幽玄の境地へと昇華させていたのです。

「素晴らしいこととは、為す(doing)のではなく、おこる(happening)のだ」というインドの和尚の言葉通り、彼の音楽には全くエゴが感じられず、おそらくは悟りの境地で弾いているからこそ、どこまでも自由で、聴く人の魂までも解き放ってくれるのでしょう。


彼のアルバムはすべてお薦めですが、私が最初に聴いたピアノ・トリオによる“Invisible friends”と、昨年リリースされた最新作(トリオに弦と木管による九重奏団、総勢12名による)“Worship of self”を紹介しておきたいと思います。


ただでさえ、従来のジャズという枠に収めることが難しい彼の音楽ですが、後者はジャズとクラシックの非常に高い次元における融合‥をも超えた、それはそれは美しいアルバムです。



P.S.これまでも、ピアノ・ソロ四部作をはじめ、ライブにおいても、ヤンソン教授の楽曲を折りに触れて演奏してまいりましたが、木曜日のアート・カフェ・フレンズでも初挑戦の曲も含めて数曲演奏する予定です。
12年で、果たしてどこまでゆらぐことが出来るようになったか、乞うご期待!
(脳ミソの方は相当ゆらいでる今日この頃ですが‥)

そしてそして、なによりも!予約状況が芳しくないのでございまする。 (;_;)
前回の超満員から一転して閑古鳥のバードウォッチング??

日本一楽しそうにドラムを叩くマイケルさんと、日本一太いベースの音を出す河上さん、お二方とのトリオは今後永続的に(オリジナルのトリオと並行して)活動していきたいと思っているにもかかわらず、単独公演としては最初で最後、だったりしかねない状況でございまして‥ (-_-;)

それどころか、アート・カフェ・フレンズのマンスリー・ライブ自体が、四ヶ月でおしまい?なんてことにもなりかねないわけでして‥ (>_<)

そこで、苦肉の策?というほどのものでもないのですが、スタンプ・カード(‥のようなもの)を始めます。

今思いつく特典としては‥

それは木曜日に発表させて頂くということで‥
(でも、期待は裏切らないだけの自信は満々! o(^-^)o )

みんな来てねぇ~     
_(._.)_

text by H. Izumi

2009年1月11日日曜日

BEYOND THE RIVER 発売記念ライブ “TOKYO SPECIAL”

一昨日の STB 139 スイート・ベイジル、BEYOND THE RIVER 発売記念ツァーの1stピリオドの締めくくりにふさわしい、スペシャルなライブになりました。金曜日とはいえ正月明けの三連休の前日、という微妙な日取りであったにも関わらず、おかげさまでなかなかの盛況でした。ご来場頂いた皆さま、ありがとうございました。なんといっても、佐藤雄大君の奏でるストリングスの音色に包まれて、本当に気持ちよくピアノが弾けて幸せでした。( SNOW FLOWER では気持ちよすぎて忘我の境地に没入し、ベース・ソロをすっとばしてエンディングのピアノ・ソロに突入してしまったぐらいですから‥)また、MOON PALACE と SKY SO BLUE における彼のハーモニカの音色によるソロも、よくうたっていて、曲のもつ世界をぐんと拡げてくれていました。エレピ(nord)のプレイも最高で、いつも一緒にステージにいてくれたらいいのに、と毎度のことながら感じました。(今はそれが叶わぬ願いであることはご承知の通りですが、いつの日にか必ず各地で‥)




そして、もう一つのスペシャルは、2日前に急遽決めた、片岡郁雄氏の飛び入り。ソプラノ・サックスによる THREE SWALLOWS と SILVER GIRL IN THE MIST は、アタクシの音楽世界の最終形の一つを感じとって頂くに十分であったと思います。昨年11月のアート・カフェを聴き逃していた方々にとっては、AMOSHE のライブ以来、実に21年ぶりの共演が予告無しに繰り広げられた訳で、敢えてブログに書かなかった分サプライズ効果満点のようでした。(ウシシ‥(^_^;) )


片岡氏は近い将来にまたアート・カフェにお誘いしますので、お楽しみに!


さて、次回のアート・カフェ・フレンズ・マンスリー・ライブは、今月29日の木曜日、ザ・スクエアの初代ドラマー、マイケル河合氏と、大ベテランのベーシスト、河上修氏とのピアノ・トリオでお送りします。

未だアート・カフェを体験していない方は、この機会に是非どうぞ!


text by H. Izumi

2009年1月7日水曜日

準備万端!

今日、明後日のスイート・ベイジルの為のリハーサルがありました。ヤマハさんのご好意で(もちろん佐藤雄大君が参加してくれるからに他なりませんが‥)、渋谷のエレクトーン・シティのホールで5時間みっちりむっちりもっちりと‥。思えば“LIGHTS IN A DISTANCE”には、のべ160時間を費やして入念にプログラミングしたストリングスをステージアで鳴らしてオーバー・ダビングしたのに対して、“BEYOND THE RIVER”はトリオのみでシンプルに制作した訳で、今回のライブで雄大君にストリングスを奏でてもらうことによって、普段アタクシがトリオ或いはソロで演奏しつつ自分の胸の内だけで聴いていたサウンドを皆さんにも体験して頂けるということは、まことに喜ばしいかぎりです。
もちろん、雄大君には裏方に徹してもらうだけでなく、随所でソロもとってもらいますが、グルーヴィーなエレピ、せつないハーモニカの音色などなど、多才で多彩なプレイをお楽しみください。

それでは明後日!

text by H. Izumi

2009年1月1日木曜日

謹賀新年

あけましておめでとうございます。
不景気のどん底(まだまだ底ではないという説が濃厚ですが‥)で幕を明けた2009年ではございますが、どうか、この1年が皆さま方にとって素晴らしい年でありますように‥

様々な意味合いにおいて、最低限の余裕がなければ、とても音楽を聴こうという気分になるはずもないことは言うまでもありませんが、たとえ極限の状況においても、もしも私のピアノに耳を傾けようとして下さったならば、聴き終えたあとに必ずや元気がみなぎる‥そんな演奏を目指して精進を重ねていく所存であります。

本年もお引き立てくださいますよう、なにとぞ宜しくお願い申しあげます。
m(__)m

text by Hirotaka Izumi


◆1月9日(金)STB139新春初コンサート
皆様ご存知とは思いますが、1月9日に和泉トリオの2009年“仕事始め”コンサートがございます。DVD収録の8月1日と同様に佐藤雄大氏に全面ゲスト参加してもらっての、スペシャルバージョンライブです。皆様のご来場をお待ちしております。尚、新年の休暇でSTB139の電話予約は1月6日まで停まっております。インターネット予約は可能ですが、Misty Fountainでもご予約を受けさせて頂きますので、メールにて代表者のフルネーム、人数、お電話番号をお知らせ下さいませ⇒message@mistyfountain.com