2008年9月10日水曜日

超ディープな三連戦 その2 虚心坦懐

2日、午後に電車で金沢へたどり着いた板垣くんも交え、14時45分ロビー集合でもっきりやへ‥雨がしとしとのぐずついた天気です。

オーナーの平賀さんは大学の文学部教授?といった雰囲気の、アルカイックなおじさまです。

もっきりやは再来年が30周年という、歴史の重みを感じさせる渋いお店で、やはり30年はたっているというベーゼンドルファーのグランド・ピアノは、賛否両論ありながら敢えてフル・レストアに踏み切っていない、というだけあってなかなか繊細で、細心の注意を持って接しないことにはきれいに鳴ってくれないのですが、ピンポイントでタッチがツボにはまった時の典雅な響きは格別です。調律の方はたいへんなご苦労かと思いますが、いま暫くはこのままでいって欲しいと感じました。(私も敬愛する大先輩のピアニスト、渋谷毅さんもそうおっしゃっておられた由‥)

行く先々でピアノの椅子の高さに悩まされるのは(殆どの場合高すぎるんです‥)ご存知の通り(HP写真集の韓国ツァー参照‥)ですが、もっきりやさんの場合、創業時に木工家具の専門工房に注文して誂えたという客席用の樫の木の椅子が高さといい座り心地といいちょうどよく、快適でした。
(開演前はなんともなかったのに、終演後にミシミシいっていたのは、肥り過ぎの証拠に違いありません (-_-;) )

椅子のみならず、テーブルも内装もすべて木材だからか、とてもあたたかい響きがして、演奏に集中することができました。初めてのもっきりやさんでのライブであったにも関わらず、客席は8割方埋まって、とてもいい感じになりました。ご来場いただいた皆さま、ありがとうございました。                   m(__)m


打ち上げは、平賀さんに案内していただいた料理屋さん‥
北陸の海の幸‥やはり、しいすばらです。
白えびを中心としたお造りはもちろんのこと、お通しのバイ貝、のどぐろの塩焼き、いずれも、ばらすいしで、うまい肴に誘われて日本酒に手を出さない訳には行きませんでした。
(平賀さんお勧めの、地酒とのことでしたが、銘柄は失念。うまい酒でした!)

二次会はもっきりやの姉妹店ともいうべき、ペーパームーンにて。
映画や音楽や旅‥ 平賀さんに色々なお話しを伺い、その造詣の深さと、交友関係の広さに、まさに脱毛です。
キンボール社製(アメリカのピアノ・メーカー)のスピネット・ピアノは、思わずAs time goes by を弾いてしまったほど枯れた音色でしたが、ダンパー・ペダルが壊れていたのがちょいと残念です。

さんざ飲み上げて(この夜は気分でジェイムソン‥)、しかもご馳走になって、お開き。ホテルに戻って眠りについたのは3時すぎでした。

つづく

All text by H. Izumi

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