2010年4月6日火曜日

マグロに乗った中年

マグロに乗った中年が大間から函館へと渡った!


ツァーも最終コーナーを周って直線コースに入ったともいうべき今日この頃、演奏は日増しに充実し、体格は膨張し、人格は崩壊し‥
どうやら、今回の人生において未体験の領域に足を踏み入れているのは確かなことのようでであって‥

何が変わったのかを一言で言うなら、先日の石巻のラ・ストラーダ以来、演奏がガラリと変わりました。脱皮した、という表現がふさわしいかと思われます。
今のところ、これ以上のことがら(どうして脱皮したのか?)は文章にする余力が全くなく(少しでも時間があったら4/16金曜日のブルース・アレイの牧山純子さんのライブの為にアレンジをして譜面を書かねばならない)という毎日でして‥。

その結果、写真だけを先にアップしてもらっていた訳ですが、発想を転換してみると、今回のツァーの、マネージャー兼ドライバー兼コーディネーター兼フォトグラファー兼プロデューサーであるところのアンドフォレストミュージック代表中村尚樹氏撮影の写真が主役になっている、というのもイカシテるのではないかと‥

まぁ、珍道中の連続で、毎日面白いことが次から次へと起こって、あとでらくらく一冊本が書けそうな感じですが、いまのところは写真の数々をお楽しみ頂くと同時に、村上聖、板垣正美、両君のブログも是非ご覧下さい。
また、和泉派の管理人、栗生君にSOSを出して、わたしのスポークスマン的な役割を担って頂くこととなりましたので、今まで以上に和泉派もチェックして頂きますようお願い致します。

さしあたっては、4月11日の15時から石巻、N's SQUAREにおいて、AFTER TOUR PARTY を開催する運びとなりましたので!
一人で‥公開打ち上げ兼ソロ・ピアノ&スペシャル・セッション‥
25本で色々なピアノと付き合ってきて、手入れの行き届いたまともなピアノで締めくくってみたい‥と思ったのが話の発端なのですが‥

text by H. Izumi

東北

まずは写真で








2010年4月3日土曜日

つづき・・・

福岡 Gate's 7 といえば、前回に引き続き九州の兄貴分、菅原彰司氏をゲスト・プレーヤーにお迎えして、いぶし銀のアルト・サックスば吹いて頂きました。

二部あたまでまず私とデュオで、中村八大先生の“見上げてごらん夜空の星を”、カルテットで、ビリー・ジョエルの“素顔のままで”とアンコールでスタンダードの“スピーク・ロー”をバリバリ吹きんしゃったと‥

打ち上げは、航空自衛隊、西部航空音楽隊の有志の皆さんのおかげでえらいもりあがりんしゃったと‥

居酒屋のエレベーターを降りる時も周囲を警戒して下さって頼もしい限り‥

恐らく、プロフェッショナルなミュージシャンとしては日本で最も規律正しい厳格な楽団の一つに所属しておられる方々な訳で、堅物揃い?などと心配したのも束の間、ユーモアとウィットのセンスにとんだ、大変クレバーな好青年たち‥ってそりゃぁいくらなんでも誉めすぎだすけんど、よーするに、吉本でも十分通用するであろう抱腹絶倒なガイキチ・バンドマン(誉めてるんですよ!)な皆さんでした。定期演奏会にゲストで呼んでくれるように売り込んでおいたのですが?


福岡から松山までは6時間半ほどとかかるということで朝8時出発‥の予定がワタクシの遅刻で40分遅れ‥
昨夜の打ち上げ以来、自衛隊音楽隊に見習ってトリオの行動規範を厳しく運用すべし、ということで早速、板垣二曹より、3日間の外出禁止令が申しわたされたことは当然である。

途中、来島海峡SAで昼食、いつものように、鯛のあらの塩ラーメンとタコ飯おにぎり‥ぶひ~


松山に着いてモンクの店内に入ると、なんと松山市長秘書の西村舜氏が隙のないスーツ姿で笑顔も爽やかに出迎えて下さって、びっくらこいたワタクシは思わず「舜ちゃん!大丈夫?え?しらふ?具合でも悪いの?」と尋ねてしまいました。

舜ちゃんの人徳と顔の広さで、今回のツァー初のほぼ満員御礼!!
ハイソな雰囲気のおばさまおじさま達は即売においても余裕の大人買い!
舜ちゃん、ありがとう!

そして、多忙な中を駆け付けて、二部から聴いてくれた松山市長の中村時広君、ありがとうございます。(一応1年先輩なもので偉そうにさせてもらっておるのですが、時広君は、爽やかで頭脳明晰にして情熱に満ちた、誠に立派ですこぶるまともな人物であって、松山市民の皆さんが羨ましい限りです。)

彼が来てくれたことに感謝して、返礼にTVドラマ“坂ノ上の雲”のテーマ曲をアンコールあたまにソロで‥(もちろん舜ちゃんが譜面を用意してくれたのであります)

続いて、モンクと言えばオーナーの関谷さんにギターを弾いていただかない訳には行かないということで、ブルー・スエード・シューズをう~んとスロー・テンポで‥

泣きの入れかたに節度があって、でも充分歌っている、伝わってくるプレイ‥

ぐっと来るぜそのチョーキング‥などと呟いたりして

もう一曲は、ミュージシャンの合言葉、イズンツシーラブリー!
もうドカンと盛り上がって、最高だぜ松山!


また打ち上げのイタリアンレストランがおいしいのなんのって、なおかつ伊予牛のステーキ(八木さんごちそうさまです!)まで出てきた日にはお礼にピアノを弾かねばねばならぬとなって‥
ハートランドをソロで、聖君のウッドベースと板やんのドラムスにも入ってもらって、ふらいみーとぅーざむーんと遠雷、酔いが回った皆さんは調子に乗ってアンコール、リボンインザスカイで締めました。

最後に池内商店さんで一杯やってからお開き‥
いつもいるはずの健太がいないのが寂しいけれどそのかわりにチキンに来てくれたんだから良しとせねば‥



翌日は今治ジャズの実行委員長である平尾史朗さんを表敬訪問しておみやげに素敵なバスタオルをいただき恐縮しきり‥
出してもらえたら楽しそうなのですが、現状では未定です。


さて、広島ジャイブ!
70年代を彷彿とさせる古き良きライブハウス、という雰囲気の店内の奥に、木目(マホガニー?)のグランド・ピアノが!!
年代もののアップライトを覚悟して辿りついたら、1960年製のハンブルク・スタインウェイ TYPE M が出迎えてくれるという喜び!
馬場さん、有難う!感謝感激であります。

一部を終えて外で和んでいると、なかなかスタイリッシュなイケメン男子ふたりがやってきて「さっきリハーサルの音が店の外まで聴こえていていい感じだったから居酒屋を早めに切り上げて戻ってきたんです」だと宣う。
いや~お兄さん達、嬉しいことを言ってくれるねえ、半分終わったとこだから半額でいいし、最後まで聴いてってね~
結構気に入ってくれたみたいだったっす。


広島終わりで夜走りで帰京。午後は横浜のホテルニュー・グランドの本館の重厚なバンケット・ルームで、友人の結婚披露宴に出席。シャンパーニュで、フォアグラのソテーぶどうのソース、を流しこむ至福!ステージ上にはセミコンがあって、そこでトロンボーンの中川英二郎君とデュオで三曲やったのですが、6連チャンの翌日にしては結構弾けると思ったのも束の間、控えていたとはいえ、シャンパーニュを皮切りに山海の珍味と手をつないで、白、赤、と行進してきて、すでにほろ酔いの丘を越えて酒気帯び街道まっしぐら! まことに、飲んだら弾くな、弾くなら飲むな!でありました。


翌日は音楽室で深夜に録音(とあるサイトの為にシューマンともう一曲)水曜日の午前四時になんとか終了。そのサイトが始まる時にはお知らせしますので!


で、木曜日が、血沸き肉踊り泣く子も黙るハイカロリーレストラン!長野バックドロップ。オーナー唐沢さんの気迫と気合いと熱気でお客さんの少なさにもめげることなく、4連チャン(大阪が昼夜二回なので実質5連チャン)の初日ということも忘れて、がんがんに盛り上がりました。ピアノの音ががんがん鳴り響く感じで気分は格闘技!

テーマは、いつもと違う切り口で!
終演後、金沢に向けて移動です。


その夜はたまたまワタクシがハンドルを握っておったのですが、黒姫から妙高にかけてのトンネルを出た途端にすごい吹雪で路面はシャーベット、ちょっとひやっとしました。


金沢もっきりや、本当に寒かったっす

救いは本番前に近所のあげはさんでいただいた海鮮丼と生かまぼこ、それと揚げたてのたらの芽のさつまあげ、どれも最高でした!きよちゃん板垣チームの海鮮雑炊も、中村さんの甘海老のカレーもすごくおいしそうだったのは他人の芝生なだけではなさそうで‥

ベーゼンドルファーは一層枯れた感じになっておりましたが、やはりなんとも懐かしさを感じさせる、もっきりやさんならではの素敵な音です。
平賀さんは集客が少なかったことを詫びてくださるけれど、半分以上はワタクシのいたらなさでありまして‥

金沢を出る頃には相当な雪、雪、雪。



大阪のホテルにチェックインして眠ったのが午前4時すぎ

大阪の老舗、ロイヤルホースはピアノを買い替えてくれて以来抜群に演奏しやすくなりました。これでコンデンサー・マイクがあったら申し分ないのですが‥

それにしても、昼夜二回公演とは思い切ったことをやらはりましたなぁ

昼はサロンコンサートみたいにまったり楽しんで、夜はもうがんがん!

さすがにぐったり・・・



名古屋ドキシーの vol.2 は、さすがにここで頑張れば休めるということで、ぎんぎんでした。

アンコールあたまでN不動産のS君が、テラ・ディ・ヴェルデを披露してくれました。
どうやら前回そんな約束をしたらしいのですが、もちろんまったく覚えていないのです。

でも、低い椅子とむずかしいピアノにもめげず一生懸命弾いてくれたその姿には心動かされるものがあったと思います。なにより和泉のライブでピアノを弾こう!という姿勢が、勘違い、いや、見上げたもんだよ屋根屋の褌。ありがとう裕之!
終演後、またまた2本ほど白ワインをごちそうになって‥

残り8本、さてさて、東北北海道はいかに!!!

all text by H.Izumi

2010年4月1日木曜日

MASOCHISTIC CRAZY TOUR 2010!!!

やはり、なかなか怒涛の波乱万丈万度鈴なんじゃそりゃ?ツァーであります。

毎日ブログを更新せねば!と思いつつも、本番(CD即売サイン会も含め)が終わると、からっぽのもぬけのから状態で体外離脱?

(ここでお願いです。ライブの後に「お疲れですね!」とアタリマエダのクラッカーな言葉をかけてくれるな、そこのおっさんお兄さん!)

そう!遅ればせながら、ツァー・タイトルが決まりました。
“マゾヒスティック・クレイジー・ツァー 2010”
がはははは どうだい? いけてるだろう?


だって、岐阜日帰りとか、広島終りで夜走りで戻るなんて、10代のロックバンドでもやらないようなことをメタボな4人が頑張っちゃってひいひいふうふう云って、音楽をアウトプットすることでワタクシの思考、感情は消耗しきって、とてもブログの為に文章をしたためることは叶わなかったのです。

しかしながらこの3日間のオフでやらねばならぬことの7割方は見通しがついた段階で、いよいよ‥


岐阜、名古屋、京都、鳥取、福井、神戸、岡山、福岡、松山、広島、と終え、中三日空けて、長野、金沢、大阪(昼夜二回)、で、再び名古屋‥が終り夜走りで東京に戻ってきたのが、月曜日の午前四時‥

月曜日は身体中の節々と筋肉が緩やかに軋みながら膨張している感じで時折めまいも激しく、肩から指先までは鉛が詰まっているようで自由に動かず一日休養。

火曜日は音楽的懸案事項を確認しつつ軽く指ならしをして‥

でもってようやく水曜日の明け方になってブログに手をつける意欲が‥


そんな訳で、今回初めて伺った場所を中心に振り返ってみることにしたいと思います。


まずは岐阜、アイランドカフェ。普段は喫茶店としての営業、ライブは月に1~2回とのことで、ホームページの写真にはアップライトピアノが写っていたのですが、行ってみるとなかなか状態の良い92年製のヤマハC5!


アップライトであるならば、と念のために持ち込んだAKG414とAMEKのMic Preが結果的には大正解(お店にはダイナミックマイクしかなかった‥)で、ピアノの前に座った時の音場の心地よさ、演奏のしやすさは、キャパ50までのライブスペースとしては日本でもトップクラスと云ってよいでしょう。
仙人のようなオーナーの平工(ひらく)さんはウディー・ガスリーとまぶだち?な感じの、物腰の柔らかな紳士で、もっとゆっくりと音楽の話などさせていただきたかったのはやまやまなれど、なにしろ日帰りですから、軽くお店で打ち上がらせていただいて帰路につきました。ピッツァ、パスタ、などどれもおいしかったです。また、忘れてならないのは、ボランティア(お店の常連さん?)のスタッフの皆さんの笑顔と、ゆるいご主人とは対照的な、きびきびビシバシなしっかりものの奥様!

一時間以上も遅れて着いてあわてて機材を降ろして、さて、どのようにマイクを立てればこの店でこのピアノが一番気持ち良く響くか?を、必死で考えている最中に「ジャズの人達はピアノにマイクなんか立てませんけどねえ~」と云われてしまい、一瞬思考が停止して・・・・・「あ、ジャズじゃないんで~」

一日おいて名古屋ドキシーでは、終演後およそ1時間の間にN不動産のSさんに白ワインを2本以上?ご馳走になってその後京都に移動した記憶が飛んでいます。
つまり、知らないうちに京都のホテルで寝ていて目覚めた時には「ここはどこ?私は誰?」状態で、銀閣を眺めながら反省したという情けない話で‥

京都ラグは招待のお客さんも交えると一応満員でまずまずの盛り上がり・・・・


京都の翌日が鳥取、アフター・アワーズ、オーナーは、松下正嗣さんがギタリスト、奥様はピアニストの、菊池ひみこさん、ということで、年期の入ったC5は言うに及ばずモニター環境(スクエア時代に愛用していたのと同じエレボイのスピーカー)も良好で、さすが音楽家夫妻のお店でした。ウッディーな店内は音の響きも優しくウォームなサウンド! 50人くらい入るとさぞかしいい感じだろうなぁというところに20人ちょっと・・・・・ 鳥取大の連中は何をしてるんだぁ!来てくれたのはエリちゃんだけだぞぉ!
あと、ほとんどすべての商品を大人買いしてくれた、イセキさん! 感謝感激!

そして、素敵なお手紙を下さったマイちゃん。
どんなにか励まされたことでしょう!ありがとう! 
音楽の道に進まれる由、応援しています。いつかアフター・アワーズで連弾しましょうね!



移動日をはさんで、福井響のホール、キャパ200ちょっとの小ぶりなホールですが、ヤマハS6にAKG414が立ててあれば気持ちよくないはずがなく・・・ 160ぐらい入ると気持ちがいいだろうなというところに40弱・・・
木戸西さんには何から何迄大変お世話になりました。*次回のリベンジを・・・

17才のセイナちゃん!若年層インスト人口開拓増加になお一層の奮励努力をお願いします。
初めて聴いて下さって気に入っていただけたらしい、ちづるさん、次はあなたがお友達を連れてきてくださいね!
まどかさんも、同窓会を引き連れて!なにとぞよろしくであります。


翌日は神戸チキン、いやぁ、さびしかったね~
閑古鳥を食べちゃうテンでも飼って欲しいところです。
唯一の救いは、天才エンジニア、正木さんの心地よい音作りと、レベルの高い厨房スタッフの拵えてくれる料理と、きびきび気持ちの良いスタッフの皆さん、そして、たとえ死んでも直らないであろう、オーナー、児島すすむ君のアホさ加減! 前回唇を奪われたので今回も覚悟だけはしていたけれど、助かったぁ!

当たり前のことながら、翌日は結構な二日酔いで、みんなが姫路城を見学している間は駐車場で寝てました。


岡山もぐらもさむかったなぁ

あつし君の熱気が嬉しかったのと、聖君の学生時代の親友の藤川君にごあいさつできたのが救いです。
岡山終りで一路福岡へ・・・・

つづく

all text by H.Izumi